選手インタビュー 〜受賞者特別インタビュー〜

写真:小谷野栄一(こやの・えいいち)選手(2009年度受賞/北海道日本ハムファイターズ)1980年生まれ。創価高校3年時に甲子園出場。創価大学に進学し、1年生からレギュラーとなる。2002年、日本ハムファイターズ入団。2006年にパニック障害を発症。現在闘病中ながらも常にすばらしいプレーで、同じ病気に苦しむ人々に勇気を与えている。

第38回 三井ゴールデン・グラブ賞受賞

ポジティブな気持ちが大切

攻守にわたる活躍で、昨年チームのパ・リーグ優勝に貢献した小谷野栄一選手。特に守備面は三塁手としてリーグトップの守備率を示し、三井ゴールデン・グラブ賞を初受賞した。今年の同賞発表に先立ち、小谷野選手に受賞に対する思いやこれまでの人との出会い、また子どもたちへのメッセージなどをうかがった。

  • 写真:インタビュアー/中島 孝(三井不動産株式会社)撮影/荒川弘之

    インタビュアー/中島 孝(三井不動産株式会社)撮影/荒川弘之

昨年初めて三井ゴールデン・グラブ賞を受賞されましたが、この賞の存在を意識されたのはいつごろからでしょうか。

小谷野 以前は縁のない賞だと思っていました。でも、この2〜3年で、一度は獲得したい目標に意識が変わりました。

受賞したときのお気持ちは。

小谷野 守備のリズムで流れをつくり、攻撃に転換していくのがわれわれのチームですので、守備面の評価はとてもありがたく思います。

昨年は北海道日本ハムが7人受賞されましたね。

小谷野 はい。チームを評価していただき、その中のひとりに選んでいただいたのがなによりの喜びです。

受賞したことで、自分の中で変わったことはありますか。

小谷野 失策しないことよりも、結果が気になるようになりました。今シーズンは昨年よりもエラー数が増えていると思いますが、それは普通ならツーベースヒットになるような打球を、仮に弾いてエラーと評価されても、一塁ベースで止める結果になればいいというようなことです。

全身をグラブにして勇気をもってボールに向かう

小谷野さんは内外野どこでも守れるユーティリティプレーヤーですが、お好きなポジションはどこですか。

小谷野 いちばん多く出場機会をいただいているのはサードなので、自分としてもサードへのこだわりは大きいですね。

どこでも守れるためには、普段どのような練習をされるのでしょうか。

小谷野 ポジションによって意識は違います。外野でいえば、後ろに誰もいませんし。ただ、どこでも自分の能力の中で最大限やっていこうというのがぼくの考え方です。

今期、守備面で印象に残っているプレーはありますか。

小谷野 セーフティバントをわざと逆シングルで捕って、それをファーストで刺したことがあります。

意識して「逆シングル」ですか。

小谷野 はい。一歩踏み替えてあえて左から打球に向かい、走りながら逆シングルで捕りにいきました。そのほうが、捕ったときに上体がひねられるので、強い送球がすばやくできると思ったわけです。

  • 写真:小谷野栄一選手 すばやい送球で確実にランナーを刺す

    すばやい送球で確実にランナーを刺す

すばらしい状況判断ですね。その他、試合中に守備面で意識していることはありますか。

小谷野 打者に近い距離で守っていると、打球に反応しきれないこともあります。ですから、自分は全身がグラブだと思うようにしています。つまり、勇気をもって打球から逃げず、体でぶつかっていくという気持ちですね。

子どものころから憧れたり尊敬している選手はいますか。

小谷野 田中幸雄 (*) さん。小学生のとき初めて野球を見に行ったのが東京ドームのファイターズ戦で、そのとき田中幸雄さんのプレーを見て野球をやりたいと思ったんです。

憧れの田中さんと同じチームになりましたね。

小谷野 チーム内で人間性を知り、ますます尊敬するようになりました。田中さんに接するときは、いまだに小学生のときに憧れた感覚のままです。

田中幸雄:現北海道日本ハムファイターズファーム打撃コーチ。現役時代には三井ゴールデン・グラブ賞を5回受賞。

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