表彰式フォトレポート動画レポートを公開しました。

三井ゴールデン・グラブ野球教室

選手インタビュー 〜受賞者特別インタビュー〜

写真:小久保裕紀(こくぼ・ひろき)選手(2010年度受賞/福岡ソフトバンクホークス)1971年10月8日生まれ。和歌山県出身。青山学院大学から1993年ドラフト2位で福岡ダイエーホークスに入団。2004年に無償トレードによって巨人に移籍したが、2007年よりホークス(福岡ソフトバンク)に復帰。現在はキャプテン、4番として、同チームの要の選手のひとり。

第39回 三井ゴールデン・グラブ賞受賞

プロ野球選手の立場でしっかり社会貢献していきたい

三井グループはさまざまな社会貢献活動をしています。小久保さんも先日、がんセンターの訪問や震災のチャリティーイベントの開催 (*) などをされましたね。

小久保 震災の後、僕には自分で何か行動を起こし、少しでも被災者の方々の励ましになれないだろうかという思いがありました。ホークスの選手は、福岡では抜群の知名度です。僕たちが何かをするということになると、たくさんのお客さんが集まりメディアも注目してくれるので、この立場を利用して行動するというのも僕らのできることじゃないかな。

こうした活動は今後も続けていこうと考えていらっしゃいますか。

小久保 オフの間の社会活動はずっとやっているので、それは続けていくつもりです。また少年野球の指導とか、講演活動などもしっかりやっていきたいと思います。

写真:小久保裕紀選手

人生で最も大切な出会いについて聞かせていただけますか。

小久保 それはやはり王貞治さんですね。プロ2年目から王監督の下でやらせていただき、プロ野球選手としてほとんどの影響を受けました

王さんの素晴らしさはどのような点にあるのでしょう。

小久保 勝負に対する情熱とユニフォームを脱いだときの親しみやすさ。世界一の記録を残し、監督としてもホークスをここまで強くした功労者なのに、ユニフォームを脱げば素敵な紳士で、周囲に対する気配りもすごい。王さんから学ぶべき点は非常に多くあります。

小久保さんの座右の銘は「一瞬に生きる」でしたね。これは具体的に何を意味しているのでしょうか。

小久保 「その瞬間に全身全霊をかけて物事に取り組みなさい」ということ。「そこに何のスキもなく甘えもなければ、たとえ自分の望まない結果であっても悔やむことではない」という仏教の教えです。打者は3割打てば一流といわれますが、それでも7割は失敗です。失敗のほうが多いので、打席に入ってもつい「打てなかったらどうしよう」と、悪い方向に考えてしまいがちです。そういう負の気分を1打席でも減らしたいという思いがあったので、「一瞬に生きる」という言葉にビビッときたわけです。

最後に、震災に遭われた方々やこれからプロ野球選手を目指す子どもたち、夢を追いかけている子どもたちにメッセージをいただけますか

写真:小久保裕紀選手

小久保 人間は目標を持ってはじめて前に進むことができるのだと思います。目標は小さくてもいいので、どんな状況であってもそれを持ち続け、達成していこうという意欲を持ってほしい。それが「生きていく」ということにつながるのではないでしょうか。

ありがとうございました。

九州がんセンター小児病棟の院内学級を訪問し、子どもたちに「諦めない気持ち」「信じる気持ち」「治るという強い気持ち」を持つことの大切さを伝えるなどの社会活動を行っている。また、震災後「福岡で何かできないか」という小久保選手の発案により、3月26日に被災地支援の慈善トークイベントが開催された。

撮影/荒川弘之

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