三井ゴールデン・グラブ野球教室

表彰式インタビュー

“野球が好き”、その思いが原動力。 阪神タイガース 福留孝介(ふくどめ・こうすけ)選手/2015年度受賞

力を抜いて、自分らしいプレーを

—守備だけでなく打撃においても、サヨナラホームランなど「ここぞ」というチャンスの場面で抜群の勝負強さを発揮されていました。打席に立つ際には、どのようにして集中力を高めているのでしょうか。

チャンスが来たら、「自分に回ってこい」という気持ちでいます。ここで打ったらヒーローになれるなと(笑)。そういう前向きな思いが、結果につながっているのかもしれません。よく堂々としているといわれるのですが、別にそんなことはないんです。もし自分が打てなければ代わりに誰かが打ってくれるだろうし、打てなくても変に自分を責めることはしない。だから、プレッシャーもあまり感じることはありません。

—今年は9年ぶりに20本塁打を記録しました。打撃の成績を振り返ってみて、いかがですか。

まだ満足はできませんね。数字としては十分かなと思う反面、もっといけたはずだという気持ちもあります。打率3割を超えたいところですが、そこに届かないのは、まだ何かが足りないということでしょう。高い数字を狙いつつ、ここ一番というところでしっかり打って、チームの勝ちに貢献し続けられるバッターを目指していきたいです。

—これまで影響を受けたプロ野球選手や、憧れの選手を教えてください。

立浪(和義)選手に憧れてこの世界に入り、ずっと目標に掲げて野球を続けてきました。また、広島カープの前田(智徳)選手は大いにバッティングの参考にさせてもらいましたね。現役では、ヤクルトの山田(哲人)選手、ソフトバンクの柳田(悠岐)選手、阪神なら江越など、しっかりバットを振れる選手は純粋にうらやましいと思います。

—日米通算2000本安打達成が目前に迫っていますが、来シーズンに向けて意気込みをお聞かせください。

タイミングが来れば打つというだけで、2000本にあまりこだわりはありません。本当に直前になったら手応えがあるのかもしれませんし、逆に打った瞬間に「まだ2000本か」と思うかもしれません。あくまで通過点としてとらえ、その次に目を向けていきたいです。

—最後に、プロ野球選手を目指す子どもたちや、スポーツに熱心に取り組んでいる子どもたちに向けてメッセージをお願いします。

どんなスポーツでも「好き」という気持ちを忘れないでほしいですね。何十年と野球を続けてきましたが、これまで辛いと思うことはあっても嫌いになったことは一度もありません。それは、ただただ野球が好きだから。子どもたちにも、好きなことを楽しむ気持ちを持ち続けてほしい。強い気持ちがあれば、きっとどんな壁も乗り越えられるはずです。

福留孝介ふくどめこうすけ

1977年4月26日生まれ。鹿児島県出身。幼い頃から野球を始め、高校時代はNo.1スラッガーとして注目を浴びた。立浪和義選手に憧れ、1999年に中日ドラゴンズに入団。2006年打率3割、30本塁打、100打点、100得点を達成しセ・リーグMVPを獲得。シカゴ・カブスと契約後、2008年より念願のメジャーへ。2013年に阪神タイガースに入団し、2015年は守備率10割を誇るとともに、持ち前の勝負強さを発揮し20本塁打を記録した。

聞き手

菊地智子きくちともこさん
三井物産 広報部
編集制作室 マネージャー

常に向上心を持ち続け、野球に真摯で、チームとともに勝負に向き合う福留選手。圧倒的な存在感。お会いでき、光栄でした。

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