三井ゴールデン・グラブ賞

表彰式インタビュー 「プロ野球最高の勲章」10年目で初受賞 読売ジャイアンツ 坂本勇人(さかもと・ゆうと)選手/2016年度受賞

プロ10年目の節目に、初の三井GG賞に輝いた坂本選手。今季は首位打者と最高出塁率の2つのタイトルを獲得。「侍ジャパン」の中心としても活躍が期待されるチームの若き主将に、野球に懸ける思いを聞いた。

(2016年11月29日インタビュー)

感性を研ぎ澄まし、
一球ごとに準備する

—2016年度三井ゴールデン・グラブ賞(以下、三井GG賞)受賞、おめでとうございます。プロ入り10年、節目の年の初受賞となりましたが、受賞のお気持ちを教えてください。

三井GG賞は、プロ野球の世界で最高の勲章のひとつだと思っていました。まさか自分が受賞できるとは思っていなかったので、初めて手にすることができて本当に嬉しいです。

—今シーズンは首位打者・最高出塁率の2つのタイトルも獲得し、攻守にわたり大活躍されました。遊撃手として守備の要も担われているわけですが、守備についてはどんなこだわりをお持ちですか。

守備範囲を広くすることはもちろん、バッターが打つ前の準備を意識しています。キャッチャーの配球やサインを見て守備位置を変えたり、一歩目の意識を強く持ったり。そういう細かいところを強く意識していますし、自分の感性を大事にしています。

—ドラフト1位の高卒ルーキーとして1年目から一軍の出場機会があり、活躍してこられたわけですが、何が守備力向上のきっかけとなったのでしょうか。

プロとして試合に出してもらっているなかで自分のミスでチームに迷惑をかけてはいけないと守備力強化を意識し始めました。2012年1月には元ヤクルトの宮本慎也さんと合同自主トレをさせていただいたのですが、とても大きな経験でした。「新たな発見しかなかった」ですね。キャッチボールの大切さからステップやスローイングのやり方まで、本当に大きく意識が変わりました。また、今シーズンから就任された井端(弘和)コーチは「人と違う」守備のセンスを持っている方で、その指導を受けているということは自分の野球人生にとってすごくプラスなことだと思っています。

写真提供:ベースボール・マガジン社

大切なのは、
夢を持ち続けること

—2015シーズンからチームの主将を務められ、ピッチャーや新しく入団してきた選手に率先して声を掛けられていますが、主将として普段どんなことを心掛けていらっしゃいますか。

自分が主将になって心掛けているのは、シーズン中は良いことも悪いことも毎日起きるので、自分の喜怒哀楽はあまり外に出さず、ユニフォームを着ている間は、主将として自分の結果に左右されない振る舞いをするということです。前主将の阿部(慎之助)さんは入団時から一流選手のあり方を教えてくださり、僕が最も影響を受けたプロ野球選手ですが、阿部さんの影響もあって、そうした意識がより強くなりました。

—これまで数多くの大勝負を経験されているわけですが、集中力を高める方法やプレッシャーに打ち勝つ秘訣があれば教えてください。

やはり日々の練習、試合前の準備。試合以外のすべての準備が大事です。その意識は年々強くなっています。僕たちは毎日何万人というファンの前でプレーさせてもらっているのですから、日々の準備をしっかりしておけば、集中力も勝負強さも自然と発揮できるはずです。準備をしなければ不安しかありません。不安を打ち消すために練習しているし、十分準備しているからこそ本番で力を発揮できるんだと思います。

—今後の目標としては、どんなことをお考えですか。

今シーズンは個人としては本当に良い結果が残せました。今思っているのは、「来年が大事だな」ということです。野球選手としては一年でも長くショートを守りたいと思っていますし、三井GG賞は、今後も遊撃手としての一番の目標です。

—最後に、プロ野球選手を目指す子どもたちをはじめ、夢に向かって取り組む子どもたちにメッセージをお願いします。

野球は、「野球が好きだ」という気持ちを常に持って頑張れば、自然とうまくなるものです。僕も「プロ野球選手になりたい」という夢を持って頑張ることで、夢を叶えることができました。しっかりと夢を持って将来を見据えれば、きっと素晴らしい未来が待っています。

坂本勇人さかもとはやと

1988年12月14日生まれ。兵庫県伊丹市出身。青森県の強豪・光星学院高等学校に進学し、1年の秋からショートのレギュラーの座を掴む。2006年の高校生ドラフト会議にて読売ジャイアンツにドラフト1位で入団。2015シーズンより球団史上最年少(当時)のキャプテンを務めチームを牽引する。2016シーズンは打率.344を記録し首位打者を獲得。自身過去最高の結果を残し、入団10年目にして三井GG賞にも初選出された。

聞き手

島正和しままさかずさん
JA三井リース 経営企画部
経営企画室 兼 広報IR室

少年時代から大の巨人ファンです。攻守でチームを牽引する坂本選手にインタビューでき、大変貴重な機会をいただけました。間近で見てもカッコいい坂本選手、すべてが備わった選手だなと実感しました。これからますますジャイアンツ愛が深まります。

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