第53回 三井ゴールデン・グラブ賞

表彰式インタビュー“派手さ”は不要
確実にワンアウトを 横浜DeNAベイスターズ 桑原 将志(くわはら まさゆき)選手/2017年度受賞

三井ゴールデン・グラブ賞に初めて選出された、埼玉西武ライオンズの菊池投手と、横浜DeNAベイスターズの桑原選手。今後の活躍がますます期待される両選手に、初受賞の想いを聞いた。

(2017年11月30日インタビュー)

—2017年度三井GG賞初受賞、おめでとうございます。改めて受賞のお気持ちをお聞かせください。

三井GG賞は、いつか獲りたいと思っていた賞なので、素直に嬉しいです。

—三井GG賞はこれまで、832名の守備の名手を表彰してきました。桑原選手が思う守備の名手はどなたでしょうか。

ロッテの岡田さん(岡田幸文外野手)、今シーズンをもって現役を引退された巨人の松本哲也さん(2018年度より三軍外野総合コーチ)は、ヒット性の打球をアウトにしてしまう所が同じ外野手として本当に上手いなと思いますね。

—もともと内野手として入団され、外野手へとコンバートされましたが、苦労した点はありますか?また、守備で意識されていることは何でしょうか。

コンバートで苦労したのは特にスローイングですね。内野とは投げる距離が違いますから。あとは、前後の打球の追い方などは距離感をつかむのに時間がかかりました。
守備をする際に常に意識しているのは「ひとつのアウトを確実に取ること」です。「派手さ」は要らないです(笑)。確実にアウトにするためには一歩目の動き出しが重要です。一歩目ですべてが決まるといっても過言ではありません。

写真提供:ベースボール・マガジン社

—改めて今シーズンの成績を振り返って、桑原選手にとって“飛躍の1年”になったのではないでしょうか。

チームは日本シリーズへの出場を果たしましたが、個人的には「飛躍の一年になった」とは思っていません。まだまだチームメイトにカバーしてもらうことが多いですし、自分が周囲を引っ張っていけるようにならないといけない、と感じています。

—桑原選手は、勝負強さが持ち味ですが、どのようにプレッシャーに打ち勝っているのでしょうか。

深く考えずに、大胆に割り切って考えることですね。ある意味「開き直り」です(笑)。でも、まだまだ不安になることもありますよ。そういった意味で筒香さん(筒香嘉智選手)は、日々チームのことを考えながら結果を出しているので尊敬します。

—最後に、来シーズン以降に向けての目標と、プロ野球を目指す子どもたちへメッセージをお願いします。

目標は何より、チームが優勝することです。個人の数字は後からついてくるものなので、チームを優勝に導けるようにチームを引っ張っていきたいです。
子どもたちには、「“好き”という感情を忘れないで目標に向かって突き進んで欲しい」と伝えたいですね。自分も常に「野球が好き」という感情を持って野球を続けています。好きだからこそ、続けられますし、目標への原動力になるはずです。

桑原将志くわはらまさゆき

1993年7月21日生まれ。右投げ右打ち、身長174cm、体重75kg。大阪府和泉市出身。福知山成美高校に進学。1年春から三塁手のレギュラーに起用され、2011年のドラフト会議では内野手として横浜ベイスターズ(当時)から4位で指名された。抜群の打撃センス、50メートル5秒8の果敢な走塁、遠投100メートルの身体能力を活かした守備と三拍子揃った選手で、ガッツあふれるプレーを持ち味とし、2017年シーズンは開幕から「1番・センター」に定着。7月には「月間MVP」も獲得するなど、飛躍の年となった。2018年は背番号を「1」に変更することが発表されており、リードオフマンとして、チームに勢いをつける。

聞き手

鈴木 崇嗣すずき たかしさん
三井倉庫ホールディングス
広報室長

プロ野球選手を目の前にすると、その迫力に非常に緊張しました。いい経験をさせていただいたのと同時に、少年時代に憧れていた「プロ野球選手」も、今や全員年下なんだな、と改めて実感しました(笑)。

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