三井ゴールデン・グラブ野球教室

受賞選手特別インタビュー

大切にしているのは、試合前の“準備”。日々の積み重ねの中で一歩一歩成長していく 梅野隆太郎選手 (阪神タイガース/2020年度受賞)

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失敗も経験のうち。日々の積み重ねがチームを率いる発言力につながる。

— 目標にしてきた選手や尊敬する選手がいたら教えてください。

野球を始めた小学生の頃からずっと憧れているのは、城島健司さんです。キャッチャーとしてリーグ優勝や日本一を経験し、メジャーでも活躍するなど、自らの努力で素晴らしい結果を築かれた、野球人としての姿勢に大変魅力を感じます。また、城島さんの考え方や言葉にも惹かれるものが多く、人生の先輩としてとても尊敬できる素晴らしい方です。

— 梅野選手はタイガースの正捕手としてチームを牽引し、2018年から2020年までは選手会長も務められました。チームの中心選手として、普段から意識していることはありますか。

キャッチャーとしてコミュニケーションは常に大切にしていますが、(若手選手に)アドバイスする際は最低限のものにとどめています。選手というのは失敗や成功などの実体験を通して自ら気づきを得て成長していくもの。嬉しいことも辛いことも経験して、チームを率いる力がそれぞれ自然と伴っていきます。自分もプロになって1、2年目の頃を振り返ると、当時の失敗から得た気づきが今の結果に結びついていると感じます。失敗するのも、経験を積めるチャンスだと思えば幸せなこと。何かあるたびに学びを得ながら、一歩ずつ成長していきたいです。

写真:梅野隆太郎選手

— 最後に、コロナ禍でも直向きに頑張っている高校球児や、将来プロ野球選手を目指している子どもたち、野球以外にも夢に向かって頑張っている子どもたちに対してメッセージをお願いします。

高校野球ではどこの高校のチームも甲子園を目指すと思います。レギュラーの人もそうでない人も、同じ環境の中で目標に向けて真剣に練習するという高校3年間は、他ではなかなか得がたい、中身の濃い思い出になるでしょう。将来の選択を迫られる大事な時期でもありますが、目標を持って、やりたいことを思い切り楽しんでやってほしいですね。

そして子どもたちに伝えたいことは、目標に近づくために、準備を怠らずにやるべきことを積み重ねていく姿勢が大事だということです。僕自身は小学校から野球を始めて以来ずっと野球一筋で、今も子どもたちに憧れてもらえるような選手になりたいと思い続けながら頑張っています。世の中には野球選手以外にもいろんな目標や夢があり、子どもたちにはそれを叶えるチャンスがたくさんあると思います。そのチャンスを逃さないよう、準備と努力を続けていきましょう。何より楽しむことを一番に、ぜひ頑張ってください。

写真:梅野隆太郎選手

表彰式でトロフィーを受け取る梅野選手(2019年度 第48回表彰式)

梅野隆太郎うめのりゅうたろう

1991年6月17日生まれ。福岡県那珂川市出身。野球をしていた父の影響で、小学校低学年から野球を始め、福岡工業大学附属城東高等学校・福岡大学を経て、2013年にドラフト4位で阪神タイガースに入団。プロ入り1年目からチーム捕手最多の92試合に出場。2018年からは3年連続で三井ゴールデン・グラブ賞を受賞。2019年には、123補殺を記録し、捕手のシーズン補殺日本記録を樹立。勝負強い打撃に加え、阪神・捕手のシーズン最多盗塁となる14盗塁を記録するなど、「走・攻・守」すべて揃った捕手として活躍している。

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