表彰式フォトレポートと動画レポートを公開しました。
— これまでの野球人生では、スランプやケガに見舞われたり、苦しい時期を過ごしたり、悔しい思いをした経験もあると思います。そのような際には、どのような気持ちで乗り越えていますか?

野球をしていると、毎日いろいろなことが起こりますし、壁にぶつかることも多いですが、僕はそれを否定せずに受け入れるようにしています。困難な状況に直面しても、それを受け入れて前に進むしかない。辛い瞬間や、大変なこともたくさんありますが、それこそが必要なことだと信じて努力しています。
バッティングでは、年間500~600回は打席に立っていても、勝負を決めるような場面ではファンのみなさんの期待やエネルギーを強く感じますし、緊張やプレッシャーも大きいです。調子が良くないときに重要な試合があると、不安になることもあります。そんなときは、緊張や不安、興奮や高揚感をすべて感じながら、そういうものだと思って打席に立ちます。緊張しているからといって、特別に何かをしようとは考えず、もし力んでしまったならその状態で、そのときの全力を尽くすことを心掛けています。
— 今シーズン、特に印象に残った守備はどのプレーでしょうか?
今年7月のソフトバンク戦で、"球界トップクラスの快足"といわれる周東佑京選手を刺したシーンですね。2対1で迎えた7回表、ライトへのヒットで二塁ランナーの周東選手が三塁を回り本塁を狙ったところ、完璧な送球と捕手の伏見寅威さんのタッチでアウトにできました。あの場面では送球の強さや位置など、すべてがうまくいったので、個人的にも良いプレーができたと振り返っています。こうしたシーンはやはり嬉しいですし、球場もワーッと盛り上がるので、記憶に残る瞬間です。
— 最後に、将来プロ野球選手を目指す子どもたちに対して、メッセージをお願いします。

あまり肩肘を張らずに、野球を楽しんでほしいと思っています。僕自身も中学生までは、土日だけ野球をするチームで活動していて、平日は別のスポーツや遊んでばかりでした(笑)。幼い頃から野球一筋で成功する方ももちろんいますが、何より大切なのは、野球を好きでいることだと思っています。
僕が本格的に野球漬けの生活を始めたのは高校生になってからで、意外とそういう選手も多いです。必ずしも毎日何十キロもランニングしたり、素振りを1000回やったりして、「野球をやらなければならない」という義務感を持つ必要はないと思います。僕と同じように、週末だけ野球をするのでも良いし、肩の力を抜いて、野球に向き合ってください。
万波中正
2000年4月7日生まれ。コンゴ出身の父親と日本人の母親を持つ。小学2年生のときに投手として野球を始め、中学時代には東練馬シニアに在籍し、3年時に全国4強入り。横浜高校では1年春の県大会からベンチ入りし、同夏、2年夏、3年夏と甲子園に3度出場。2018年にドラフト4位で北海道日本ハムファイターズに指名され入団。21年にはプロ初安打、初本塁打を記録。22年にはチーム2位タイの14本塁打を放ち、23年には侍ジャパン入りを果たした。
聞き手

渡邊広洋さん
三井住友ファイナンス&リース
広報IR部 部長代理 兼 企画部 部長代理
万波選手にお会いした瞬間、身長が高く、想像よりも体が大きくて驚きました!また、少し威圧感があるのかなとも思っていましたが、まったくそんなことはなく、とても話しやすかったです。インタビューでは、野球に対する前向きな姿勢も伺え、終始和やかな人柄がにじみ出ていました。これからのご活躍も楽しみにしています!